【ボッチャ連載企画第2弾】2023年度の大会遠征がスタート。遠征移動のリアル、チームを支える技術にフォーカス
2024パリ大会に向けて―。
ボッチャ代表チームの2023年度の大会遠征が始まりました。
カナダ、ブラジル、ポルトガル、ギリシャ、中国 etc…
翌年のパリ大会への出場枠が左右されるワールドカップやアジア大会が世界各地で予定されており、選手団も各国を飛び回るハードなスケジュールの中で、それぞれの国際大会に臨むこととなります。
今回、2023年度最初の海外遠征先となる、カナダ・モントリオールに発つ直前に、スポーツアナリストとして選手団を支える渋谷氏が、そのスケジュールの合間を縫って、PROTEX玉村工場を訪問。
ボッチャのスポーツとしての面白さや、代表選手を支えるモノづくりの技術に迫る、日本ボッチャ協会との共同連載企画の第2弾として、海外遠征に同行する中での渋谷氏の実体験とともに、試合球をはじめとした器具をセーフティに収容し輸送するための「技術面」にフォーカスした話を伺いました。
(2023年4月20日取材)
開催地に辿り着くまでの、ヘビーな工程。航空会社との交渉は半年がかりに
最低でも、スーツケース30個分以上。
海外遠征時には、それだけの量の荷物を、同行するスタッフの人員も限られた中で輸送しなければなりません。
また、選手が使用する車いすも、専用のコンテナでの収容輸送、という形になります。
預入中にハードな扱われ方をされることも想定した上で、車いすをパーツ毎に分解し、ケースに収まらない大型の器具とともに、その場で注意深く梱包した上で預ける、という対応も。
もっと言えばその手前の段階、飛行機の手配も、大きな関門となります。
重量や収容物の制約がシビアな航空会社との調整や交渉は、半年がかりになることも少なくないのだそうです。
代表チームが開催地へと辿り着くまでにも、これほどまでに大掛かりでヘビーな工程を経る必要があると言う話を今回直接伺い、PROTEXスタッフもその凄まじさに驚かされました。
器材を守り、拠点づくりに活用されるPROTEXキャリー。
そうしたハードな遠征移動の中、PROTEXのケースを様々なシーンで活用している、と渋谷氏は言います。
特に「段積 = スタッキング」が可能なケースは、横置きでスタッキングすると、二段目がちょうど、車いすの高さに。
このスタッキングを活かすことで、選手が空港や試合会場等での待機時間中に、直接食事を取り出す際にも役立っているのだそうです。
空港では、車いすを預け入れた選手が、一時的に横になって待機するシチュエーションも。
その際のバリケードの役割を果たす形で、ケースをスタッキングして活用するなど、器材を保護するプロテクション性もさることながら、空港や試合会場での拠点づくりに重宝しているのだそうです。
また、ボッチャに限らず多くのスポーツ競技の海外遠征では、空港や試合会場において「ロストバゲージ(荷物が所在不明になる事象)」のリスクに曝されることになります。
「PROTEXのケースは一度もロストしたことがない」と、渋谷氏。
ケースの外観から、「これは丁寧に扱わなければならない」という意識が空港スタッフにも働くのではないか、とのことでした。
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